住基ネット(のカード)
2004.04.05


 入院中、ひまにまかせて住基ネットの資料を読んだ。顔写真付きの住基カードは免許証にかわる身分証明になるということだ。いままでそんな身分証明が必要になることはそんなになかったけど、請われるままに、免許証があちこちでコピーされるのは気に入らなかった。
 顔写真付きの公的な身分証明になるというところが気に入り、役場に手続きに行くことにした。

 退院後、静養中に地元の役場に行き、住民課の窓口で「住基ネットのカードが欲しい」と受付の女性に告げた。

 彼女は、後ろのロッカーから紙ファイルをひとつと厚いバインダーを持ってきて広げた。見たところ今までの申請用紙のタバと手続きマニュアルのようだ。15−6枚のA4の申請用紙がファイルされている。おいおい、そんな件数しかないのか、と思った。
 所定の手続き用紙に記入して、免許証のコピーをとられ、写真撮影。デジカメなのだが何回か撮影した後、「眼鏡が光っていて証明書に使えない」と言う。デジカメの発光の止め方が分からず結局他の職員がデジカメのマニュアルと格闘した後、フラッシュを止めての撮影は終了。
 
 ここまでで25分位かかった上。「これから10日ぐらいで書類が郵送で届くのでその後、自分のハンコとその書類を持って来いと」いわれ、また切れかかる。がまん、がまん。

 4月4日朝、住基ネットのカードの受け取り。住民課の受付が不慣れで何度も暗証番号を入力させられる。彼女はこちらに見えぬよう、カウンターの後ろで分厚いマニュアルを繰りながらの作業。でも、暗証番号入力から先に進めない。銀行のカードと同様、暗証番号はカード本体に書き込むのではなく、システム上にだけ登録するはず。そうでないと紛失したときなど困る。でもマニュアル通りには先に進めないので何度も暗証番号を入力させられる。たかだか4ケタしかない暗証番号を何回も入力させるなよ。回りに他人もいるのだから。
 業を煮やして 「分からんかったら、分かるヒトを呼んでおいで!」と不本意な一喝をしてしまう。(小さい声でだよ)彼女が申請の時にも写真撮影で手間取ったのは覚えていたので、ワタシなりに優しく言ったつもりなのだが。
  彼女の後ろのほうの席がザワザワとした後、奥から顔見知りが出てきて、しばらく端末をたたく間待たされた後、やっと発行手続きは完了。

 やっと受け取った住基カードにはヒゲ面のちょっと危なそうなオッサンの顔が印刷されていた。

 就業時間外にも住民票を発行するための、でかいプリンタのような端末にディスニー?のタオルがかけられているのが、印象にのこった。使われている気配は全くない。

  窓口で「いままで何人ぐらいがこのカードを申請したのでしょうか」とていねいに聞いてみたが、「住民のプライバシーに関わることですので、それにはお答えできません」という答えだった。おい、登録件数のどこがプライバシーだ。
 でも 支払い用の会計伝票には正直に「19」という印字。この伝票は住基ネットの専用伝票なので、ワタシはこの町での19番目の住基ネットユーザーだと確信した。それでは、窓口の女性が戸惑うのも無理はない。
  ワタシの住んでいるのは 12,000人の田舎だけど、こんなんでいいのか。20人程の登録しかなくて、いったい誰が活用するのだ。それに900円も手数料を取ってこのショボいデザインのカードは何なのだ。全国共通のはずだが、ワタシの敬愛するデザイナーの川崎和男ならとっくに机をひっくり返しているぞ。

  まぁ、もう少しするとパスポートの書き換え。その時の写真代でチャラか。この住基カードの有効期限は2014年!。2003年の鉄腕アトムも実現しなかったが、2014年のエヴァンゲリオンも多分×。未来というものも案外ショボいものだと思う。
 
  住基カードで何が出来て何が出来ないのか、これから活用してみようと思う。