泣く泣く(嘘)書斎のビンテージMacを処分

2008.11.12


11月10日

 思い立って書斎(笑)のビンテージマックを処分することにした。
 まだ学生だったころ、下宿の壁が薄く、タイプライターの夜間使用を禁じられ、近所の公園でタイプライターを叩いていた頃の話。ふらっと立ち寄った池袋西武のパソコンショップで日電のPC-8001を初めて触った。こいつは使い物になるのではないかと直感。ひと冬、地下鉄要町線の飯場で働き、最新鋭のPC-8801を手に入れた。当時はWordStarという英文ワードプロセッサーのソフトも輸入されていたが、OSも含め10数万円もして手がとどかなかった。パソコン雑誌に延々と数十ページもゲームのマシン語リストが載っていた時代だ。あちこちで資料を集めて自作の英文ワープロを完成させた。
 授業のレポートをそのワープロで出力、提出したら驚いた教授が自宅までシステムを見に来たこともあった。
 その出来には満足していたのだが、(その後、高田馬場のソフトレンタルショップでWordStarも手に入れていた)池袋のキャノン販売のショウルームにLISAを見たとき、そのグラフィカルなインターフェイスや開発思想の先進性に心底驚いた。
  LISAを触りたいという一心でブレザーを着てショウルームへ通っていた時のことは昨日のように思い出すことができる。毎日、新しい発見があった。当時は金もなく、初めてマックを手にした87年からこちら、コンピュータにはさまざまな投資をしてきた。

 就職して岡山に帰り、真っ先に探したのはAppleの取扱店。就職したてでそれなりに多忙な日々のが続いた。そんな時、日本語が使えるマックが発売された。Macintosh Plusだ。

 前置きが長くなったが、以来わが家にはマックが増殖しつづけ、今や現役ではかなり厳しいビンテージなマックをいろんな方々や会社からもらい受けて稼働状態にメンテナンスすることが趣味になった。
 ここ数年はメンテをする時間もない上、保守用のパーツも手に入りにくくなった。アナログ回路やブラウン管CRTなど値も張ってきて、ほったらかし状態。ちょっと試算してみるとパーツ代が年間10万円はかかる状況なのが分った。

 思い切ってビンテージを処分しよう。

 特別に思い入れのあるマシンは別だが、現Apple CEOのスティーブ・ジョブスがApple を離れていた時期のものを中心に処分した。 ヤフオクにでも出すかと簡単に考えていたが、データの消去や梱包の手間をかける時間もない。隣町に無料で引き取ってくれる業者がいたので、そこに持ち込むことにした。いわゆる野積みで雨ざらし、データ流出も心配いらないだろう。中国あたりで基盤からレアメタルを取り出しているようだ。

 第一陣としてクルマに積まれたマックたち。奥左からMac II、組み立てDOS/V、PowerMac8600、Performa6220、PowerMac9500。前列は左からLaserWriter II NTX-J、ポートレートモニタ、17インチCRT。写真には写っていないが、助手席のLaser Writer Plusが一番重かった。さすがに業者に驚かれた。

 これだけ処分してもまだ家には現役を退いたMacが(たぶん)15台はある。小型のものやノートPCなので場所をとらないが、愛着のあるものが多く、悩ましいところ。自分で買ったものは少なく、使わなくなったものをもらい受けたのが大半だが、修理したり改造したりしていたころのことを思い出した。

11月12日
 今日はPowerMac 6100、Perfoma 5430、Classic II、LC475、Powerbook 2台、純正13インチ、12インチ、ソニーの17インチモニタなどを処分。処理場が定休日だったのできゃさりんに廃棄をお願いする。

 ずっと「いったい家に何台パソコンがあるの?」という質問に「数えたことがないからわからない」と大富豪が資産を尋ねられた時のような問答をしていたが、やっと台数を数える気になるレベルになった。思い入れや苦労話もあり、当分捨てられないものばかり。

  悪趣味だがリストアップしてみる。(☆は稼働状態、★はレストア中)
LISA2 ★
初代Macなど仏壇型5台 ☆☆☆★★
MacII fx ☆
Mac Portable ☆
PowerBook Duo 2台 ☆☆
Quadra700 ☆
Color Classic II 改(LC575仕様) ★(電池切れ?)
Next Cube 一式 ★
Next Station 2セット ☆☆

現役の4台 ☆☆☆☆
 ってことは先週まで自宅には40台近いパソコン(ほとんどはMac)があったことになる。いつも指折っててわからなくなるはずだ。